私には今年90歳になる母親がいる。つい一年半くらい前まで――とういうことは――89歳になんなんとする春まで、ここカナダのトロントに22年ほど暮らしていた。67歳で娘の私が住む当地に移住以来、最初は私たち家族と、そして数年後にはトロントのカナダ人シニア向けのアパートで快適な一人暮らしをした。
これは言葉も気候もまた社会的バックグランドもまったく違った街で、老後のシルバーライフを送った体験と、夫の戦死にもめげず子供3人を抱えて生き抜いた母の半生を、娘の私がまとめた本である。
朝日新聞:「読む」欄
67歳でカナダのトロントに移住、22年後、再び日本に帰国した90歳の女性の、勇敢で爽快なシニアライフを軸に、カナダの老人福祉と日系人の暮らしぶりを描いたノンフィクション。著者はこの女性の次女で、トロント在住のフリーライター。
宮松芳子さんは結婚して7年で夫を戦争でなくし、外資系商社に勤めながら3人の子供を育て、次女敬子さんの結婚をきっかけに1977年カナダに移住した。娘夫婦と同居していたが、数年後、育児を手助けする必要がなくなると、シニア向けのアパートにさっさと引越して1人暮らしを始めた。
本書は芳子さんの日々の暮らしを通して、老後を海外で暮らす場合の心がまえや、住環境、食料品の買い方まで紹介。カナダのシニア向けアパートのしくみ、高齢者の暮らしぶりなども分かる。
戦前戦後を前向きに生きた一人の日本女性としての半生記としても読める。そして、人は何歳になっても「まったく新しい人生」を何度でも始められる、というメッセージに勇気づけられる。
日本経済新聞:「ライブラリー」欄
67歳で娘の住むトロントに移住。1999年に再び日本に帰ってくるまでの母親の22年間を娘がつづった一冊。
娘家族の同居で幕を開けたカナダでの生活は、シニアアパートでの独り暮らしに移行する。年に1、2回は日本に帰って英気を養いつつ、アパートの隣人や趣味で知り合った人たちと交流を楽しむ。こんな前向きな生活が日系社会の現状なども織り交ぜながら生き生きと描かれている。
戦争で夫を亡くし、女手ひとつで3人の子を育てた主人公のやさしさとたくましさに感動。老後を海外でと考える人にも参考になりそうだ。
産経新聞:「本・ほん」欄
67歳からカナダのトロントに渡り活動的に過ごした女性、宮松芳子さん(90)の痛快老後ライフを、カナダ人と結婚した娘が描いた。
夫の戦死後、3人の子供を育て上げ、芳子さんが単身移住したきっかけは、娘の敬子さんの結婚式に出席し「安くて広いところに住めそう」と思ったことから。「老人扱いや干渉が多い日本に比べ、カナダでは一人で自立して暮らせるケアの仕組みがある。毎日がとても快適だった」と芳子さん。カナダの老人福祉情報を知るのにも役立つ。
ゆきのまち通信:「Book・ゆきのまちの本・Pick Up」欄
著者は、本誌でカナダの街のホットなニュースをリポートしてくれる通信員。
今年90歳になる母芳子さんは、夫の戦死にもめげず3人の子供を抱えて戦後を生き抜いた陽気でたくましい人。67歳の時言葉も気候も社会的バックブランドも全く異なるカナダに移住。はじめは娘夫婦と暮らし、数年後にはシニア向けのアパートで一人暮らしをする。今は日本に帰国しているが、そんな芳子さんの、22年間にわたるカナダ生活を娘の著者が綴った体験的シルバーライフ。
日加タイムス(トロントの移住者向け新聞):「新春トピック」欄
いつも朗らかで社交的なおばあちゃん、宮松芳子さん。トロント在住の人で彼女の姿を目にした人、直接話しをした人、親しくお付き合いをした人は多いはずだ。67歳で移住、22年間をトロントで過ごした芳子さんのカナダでの生きざまを。娘のサンダース宮松敬子さんが1冊の本にまとめ、集英社から出版した。本は日本全国で一斉に発売され、反響を呼んでいる。
〜略〜
著名の敬子さんは、お母さんの日々の暮らしを通して、老後を海外で暮らす場合の心がまえ、カナダの住環境、家庭用品の買い方まで役に立つ生活情報を提供。さらにカナダのシニア向けのアパートの仕組みや、高齢者の生活の様子など老人福祉の情報につても分かりやすく記述している。
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文章は著者と編集者の努力が功を奏して、ごくごく簡潔でとても分かりやすい。小見出しがたくさん設けてあって読みやすい。次はなにが出てくるのかな?とつねに期待して読むことができる。
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その他のメディアでの書評
- 東京新聞
- 高齢社会をよくする女性の会・大阪(ニュース 第35号)
- キープラネット
- OCS NEWS
- 雑誌「パトス」
- 日系ヴォイス(トロント日系紙)
- 捜真女学校教会誌「おちぼ」
- ニュー・カナディアン(トロント日系紙)
- Women’s Stage
E.美枝子(奈良):
先日「カナダ生き生き老い暮らし」を拝読いたしました。
私は30年来のペンパルがカナダにおりまして、3回程私も渡加しトロントその他カナダにはとても良い印象をもっております。
朝日新聞の記事も羨望の気持ちで拝見致しました。おりしも、少なからずいつかトロントに住んでみたいと思っておりました矢先の記事でしたので。
お母様の生活の様子から‘移住’という事についてのより具体的な情報が得られとても参考になりました。
いかなる時も、常に前向きに誠実に生きておられるお母様に勇気を与えられました。
育児も一段落する来年あたりを一つのメドに、目標を持って日々努力していこうと思っております。
有り難うございました。
O.宏子(ロサンジェルス):
サンダースさんのご本今日読み終えました。
〜中略〜
何に一番感動したかを記すと、この本の中に一貫して流れるサンダースさんが持つ人間愛です。心からお母様を愛し、そしてそこに連なる人々に向ける貴女の温かい思いがとてもよく出ています。文章にメリハリがきいていて読みやすい。本当に感動しました。
〜略〜
S.尚子(千葉):
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私は旅行で訪れたドイツの町の美しさにすっかり魅了され、こんなところで生活できたら…という思いは募るものの、結局は夢で終わりそうです。
ところが宮松さんのお母様は67歳という年齢で新たな出発をされ、長年にわたってカナダでの生活を満喫されたとのこと。前向きな生き方に感動し、いくつになっても気持ちがしっかりしていれば何とかなるものだな、と改めて思い知りました。
宮松さんの結婚当初と同様に、私も33歳で結婚後すぐに妊娠したものの、初期流産を経験し、その後昨年35歳で長男を出産し、今は育児に追われる毎日です。
ほんのちょっと空いた時間で、主に海外生活や旅行物の本を読んでいますが。この本はトロントでの生活が見えとても参考になりました。いつかぜひ訪れてみたいと思い ます。
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Y.千恵子(東京)
「カナダ生き生き老い暮らし」のご本一気に読ませていただきました。とても楽しく痛快でした。こんなにたのしく元気に人生を送っているご婦人に拍手を送らせていただきます。実は前に朝日新聞に載ったとき 楽しい記事だと思って切り抜いておいたのです。それでご本が出版されたときすぐ分かりました。早速に読ませて頂きました。私も今、年を取って62歳ですが、老後は平均年齢でものを考えるのではなく、与えられた個性と言うか、天分と言うか、自分の持てるものを十分に開花させて伸びやかに愉快に過ごしたいものだと思っています。
先年カナダを旅行してその美しさが今も心に残っています。
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O.恵子(横浜):
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お母様のことや移住についてはもちろんですが、敬子さんの家族を思う気持ちがきれいな文章からにじみ出ていて、ほのぼのとした気持ちになりました。
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私を含めた団塊の世代が高齢化社会を担う?ころ、意義ある人生の選択肢が少しでも増えることを願っています。その意味でもきっとこのご本は自分の人生を大切にする人々のために役立つと思います。
M.咲子(岡山)
初めてお便りいたします。先日行きつけの本屋さんで、バイクに乗ったお母様の写真がカバーになっている御著書を買い求めました。実際にはバイクには乗っていらっしゃらないとのことですが、でもそれを信じてしまいそうなハツラツとした生き方にとても感動しました。
また戦後の混乱期に、お子様3人、舅姑を抱えて生き抜いた女性とはとても思えない文中のお写真にも見入りました。
今後もお元気で長生きしてください。心からそう思っています。
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W.智雄(大分):
親しい友人がカナダ在住(バンクーバー)で時々手紙のやり取りをしています。それでカナダというととても身近に感じ、本屋で著書を買いました。
バンクーバーとトロントではまたいろいろな意味で生活が違うのかも知れませんが、それでも私にとっては外国に暮らす日本人の生活という点では一緒に思えとても興味深く読みました。
団塊の世代の人たちが退職後外国に長期滞在したいという願望を持っているというのも面白く、これから本当に隠れたブームになるのではと思います。
それにしても20年以上も前にそれを実行したお母上の勇気に敬服します。
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T.唯代(京都):
初めまして。
12月23日に友人のところで夕食を頂きました。その時、その友人がこんな本を買ったのだけど、年末年始の休みまでは読めそうにないから、先にあなたに貸してあげる。といわれました。そして、その晩ほとんど日付変更線に帰ったのに読み出したらやめられず、二時間ほどで読んでしまいました。
痛快でした。
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S.真(長野)
私は長野県の田舎(日本のチベット?)に住んでいる者です。
2001年の第1冊目の本が『カナダ生き生き老い暮らし』でした。一気に読みました。 表紙のバイクとおばあさんの写真につれて購入したのですが 内容はさらに楽しいものでした。
21世紀もこれは捨てたものじゃないなと思ったものです。
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N.ひろ子(東京):
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老後を間近に控えた我々にとっては、宮松家を通じて見た一種のガイドブックのようでした。カナダへの移住希望者だけでなく、これからの人生を考えるよい参考にもなると思いました。高齢者は、環境が変わると、ボケるといいますが、とんでもないことのようですね。
現実は現実として、変えられないことが多いのですが、プラス思考、前向きな姿勢でいることは、いつかは、その人に幸をもたらす、とちょっとお説教っぽいのですが、共感できるようになってきました。
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Y.博(山形):
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明治生まれの女性の気骨といったものをとても強く感じ、先ごろなくなった私の祖母を何度も思い出しました。そしてまだこうした精神を持って生きておられる人がいることが嬉しく思われます。
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T.瑞江(札幌)
本、読ませていただきました。今、彼が読んでいます。
よっちゃんお母様は今日本に居るということですか?(川崎のご姉妹のところですか?)
何だか本を読んでみて、うなずけるところ、感銘するところ、驚くところがたくさんありあっという間に読み終えてしまいました。スバラシイpowerful ladyですね。
あの時代にそんなpowerful ladyがいたなんて.....。と思ったのですがそういえば、私の祖母もすごくpowerful womanだったことを思い出しました。
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H.生(東京)
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素晴らしい本のご出版おめでとうございます。私の義母は何ともう5冊も買わせていただきました。
お正月に友達に配るのだそうです。
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K.昌寛(東京):
一気に読んでしまいました。
カナダへの移住のプロセスから始まって、私が知りたかったことがほとんどありました。
60歳を超えたカナダ移住は、宮松さんのお母さんだからできたのですね。はつらつとカナダでの日々を送っていらした様子が生き生きと再現されていました。
22年間のトロント生活が鮮やかに描かれていました。
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S.れい子(大阪):
本を一気に読みました。とても読みやすい構成ですね。カナダで暮らすためのハウツーものですね。私が面白かったのは、日本のよき伝統を保っている貴女の「家族の肖像」でした。一人一人が高い志の持ち主で、素晴らしいご家族ですね。
一歳半でお父様と別れたあなたにとっては、これを書きながら家族の歴史を再検証できとてもよかったのではないでしょうか。
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K.尚子(東京):
御本拝見いたしました。 朝日の記事は私も大変興味深く読み、そのような暮らしがしたいと今でも思っております。
私も63才、独身を通し、一人っ子ゆえにともすれば不安とさびしさに打ちのめされそうになることもあります。
そのような時、わたくしより年長者が勇気と活力をもって生き生きと道を切り開き新しい世界に生きておられる姿には活力を与えられ、学ばされ教えられ、「ああ、まだ自分にもできる。
やってみよう」と新たな活力を得ています。
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S.青湖(トロント):
読みましたよ!すごい、すばらしい、よくぞまとめたものだ、と本当に感心、感激しました。早速日本の友人知人に連絡しまくっています。
日常の近辺事を、普遍性のある、読み応えのあるものにしあげたあなたの筆力と構築力に本当に感服します。これからの、更なるご活躍を期待します。次作がまたれます。
L.まり子(トロント):
〜略〜
私の知っているあなたのお母様のこと、全く新しい発見、おかしくてつい笑ってしまうところ、なるほどなるほどその通りと思うところ、ぽろりと涙の出るところなど、ぐんぐん引き込まれるように読みました。
〜中略〜
この本は高齢者の移住、外国に住むということ、ある家族の物語、女性の一生などなどいろいろな要素が含まれていて読みごたえがあり、また読みやすい本ですね。高く評価いたします。
〜略〜